NTP service : ntp.ring.gr.jp
NTP service : ntp.ring.gr.jp
Ring Server Project による NTP サーバのサービス開始時のアナウンス
Ring Server Project 代表 中村正三郎
2005.03.17
Ring Server Project(代表 中村正三郎)は、本日、NTP サーバのサービスを開始したことを発表いたします。
パブリックな NTP サーバのサービスは、歴史的経緯により福岡大学に集中し、福岡大学が悲鳴を上げる事態が続いておりました。
Ring Server Projectでは、福岡大学の窮状を救えないかとプロジェクト内で議論と実験を重ねた結果、サービスが提供できる水準に達したと判断し、本日、サービス開始をアナウンスする次第です。
NTP サーバは、ntp.ring.gr.jpにてアクセス可能です。特定のサーバに負荷がかからないように、Ring Server Project参加組織のサーバで分散してサービスを提供する仕組みになっております。
ぜひ、このサービスを活用して、福岡大学への負荷集中を回避してくださるようお願い申し上げます。
またこの場をお借りして、Ring Server Projectというボランティアプロジェクトに、人材、機材を無償で提供してくださっている参加各組織の皆様に厚く御礼申し上げる次第です。
http://www.ring.gr.jp/
Ring Server Project
免責事項
本NTPサーバサービスのご利用につきましては利用者ご自身の責任において行って頂くようお願いいたします。
本NTPサーバサービスの停止、欠陥及びそれらが原因となり発生した損失や損害につきましては、Ring Server Project及び各NTPサーバ設置機関は、一切責任
を負いません。
本件に関するFAQ・Tips等(随時追加・改訂します)
Ring Server Project参加組織のサーバ全てがNTPサーバのサービスを提供しているのですか?
全参加組織のサーバではなく、とりあえず現時点でNTPサーバのサービスを提供可能なサーバであって、一定の精度を維持できるサーバが、サービスを提供しています。
ntp.ring.gr.jpの精度はどのくらいでしょう?
RRD toolsを用いて、こちら(外部リンク)に現在の状態を表示しています。
ntp.ring.gr.jpのstratumの散らばり具合は?
現状、stratum2〜4の間です。ただし、常に全てのNTPサーバがラウンドロビンに入っているわけではありませんので、例えばstratum2とstratum3のサーバのみでラウンドロビンが構成されることもあります。
なお、stratum3のサーバがstratum2のサーバより高精度な場合もあることも申し添えておきます。
ラウンドロビンのチェックはどのように行っていますか?誤差の大きいサーバに当たることがあるようですが。
stratum2〜4のサーバのうちから誤差の大きなNTPサーバをあらかじめ外したうえで、さらに自動登録scriptを利用して一定時間間隔でNTPサーバの精度をチェックし、そのときの誤差が一定値より大きくなったNTPサーバを一時的にラウンドロビンから外して運用しています。
上記の運用方法では、client側で試したタイミングにより、誤差が一時的に大きくなっている、という可能性もありますし、また、周期的な変化をしているサーバについては、確率は低いですが、サンプリングのタイミングによってはきちんとラウンドロビンから外れていない、という可能性もあります。
ここで、チェックを厳しくしてしまえば精度は上がりますが、今度はラウンドロビンにならない可能性もあり、このあたり、正直申し上げて悩んでいます。
よいアイデアがございましたら、お聞かせいただけますと幸いです。また、状況の報告も歓迎いたします。こちらより、お気軽にどうぞ。
ネットワーク上一番近いNTPサーバを利用して時刻調整することが、本来、精度上もトラフィック上も好ましいのではないでしょうか?
おっしゃるとおりです。例えば、ご所属の企業・研究機関等の組織や、ご利用されているISPが、組織内部向けあるいは加入者向けにNTPサーバを提供しているのでしたら、そちらを直接ご指定いただいたほうがトラフィック上よいですし、精度の上でも(NTPサーバそれ自体の精度の問題はありますが)、ネットワーク上の距離が近いことから距離に起因する誤差は小さくなると思います。
では何故ntp.ring.gr.jpとしてラウンドロビンによりNTPサーバのサービスを提供し、固定リストを表示していないかと申しますと、
- 特定サーバに負荷をかけたくない
- どこからでも利用できる覚えやすいドメイン名のNTPサーバとして準備した
- ラウンドロビンのチェック方法(上記参照)による
というのが主な理由です。そのため、ある時点での固定リストを表示することに意味はない(あるサーバを臨時にラウンドロビンから外すこともあるため)と考えています。
なお、Ring Server Projectに参加しているISPでは、下記のISPが加入者向けにNTPサーバを提供しています(外部から閲覧可能な領域に記載のあるISPのみ提示)。詳しくは、それぞれのISPにお問い合わせください。
精度が要求される時刻同期は、どのようにすればよいでしょうか?
本当に精度が必要ならば、GPSベースの時刻源を自前で準備する必要があるでしょう。条件が良ければ、GPS+NTP で数十マイクロ秒程度の精度が得られます。
もし、もっと精度(マイクロ秒以下)が必要とされる場合には、"IEEE1588 "Precision time protocol" (http://ieee1588.nist.gov/)などもあります。
ただし、2005年3月現在、まだ、IEEE1588対応のサーバやクライアントソフトは限られているようです。
tenbinを利用して、一番近いntpサーバへ誘導したりしないのですか?
試験的に対応してみました。ntp.t.ring.gr.jpです。
また、DNS Balanceを利用して、一番近いntpサーバへ誘導する試験サービスも行っています。ntp.dnsbalance.ring.gr.jpです。
時刻同期について、どのような論文がありますか?
こちらに、時刻同期関連論文一覧(参照関係付き)を準備しました(PDF形式)。ご参考まで。
ntp.org http://www.ntp.org/への登録を考えていますか?
現在検討中です。ただし、上述のとおり、ntp.ring.gr.jpはstratum が一定ではない(ばらけている)ので、登録するとしても一括登録は難しいのではないかと考えています。
/etc/ntp.conf の書き方の例その1(server 行に同じ ntp.ring.gr.jp を並べるのがミソ)
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driftfile /var/lib/ntp/ntp.drift
server ntp.ring.gr.jp
server ntp.ring.gr.jp
server ntp.ring.gr.jp
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/etc/ntp.conf の書き方の例その2(例その1ではうまくラウンドロビンしない場合)
------------------------------------------------
driftfile /var/lib/ntp/ntp.drift
server ntp0.ring.gr.jp
server ntp1.ring.gr.jp
server ntp2.ring.gr.jp
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tenbinによる一番近いサーバの選択(ntp.t.ring.gr.jp の選択基準)
- 10分に一度 ntp.ring.gr.jp の Aレコードを調べ、返答の候補を作成
- ntp.t.ring.gr.jp. の問い合わせに対して、候補の中で問い合わせ元の IPアドレスとの AS path 長がもっとも短いと思われる IP アドレスを選択
DNS Balanceによる一番近いサーバの選択(ntp.dnsbalance.ring.gr.jp の選択基準)
- 5分に一回 ntp.ring.gr.jp の A レコードを調べてその回答から返答の候補を作成
- AS番号やクライアントのIPアドレスから近いサーバを選択
- 選択できなければ全てのサーバからランダムに選択
外部リンク
謝辞
ntp.ring.gr.jpの運用や設定に貴重なご意見を頂いた、森岡 和才さん、庄司 昭典さんと、広報活動等でもお世話になったスラッシュドットジャパンの皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。
本件に関するお問い合わせ・ご意見・ご要望はこちらまで、お願いいたします。